ピエタとトランジ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2022年10月14日発売)
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本棚登録 : 461
感想 : 28
5

最高の二人だった……。誰もこの二人の仲を割くことはできないのだよ、と思うと泣ける。この感じなら、死後もずっと一緒にいるんじゃないかな。
ピエタとトランジ、この二人のキャラクターが凄く光っていて、二人の関係性が最大の魅力。特殊な体質を持って生まれたトランジに、それに影響されない唯一の人ピエタ。二人とも一緒にいるのが楽しくて離れたくないけれど、決して恋愛対象ではないというのがポイントで、でも運命の人であることには変わりない。この体質について何か根拠があるのかと思ったが、最後までそれは分からないまま、名探偵でも解けない謎だった。他の全ては分かるのに、自分のことが分からない探偵というのも可愛い。
まさか世界が終末に向かう展開になるとは思わなかったが、"「このままふたりで学校を全滅させちゃおうか」" をずっと続けてきただけなのだなぁと感慨深い。二人でいれば最強なんだなと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2023年7月12日
読了日 : 2023年7月12日
本棚登録日 : 2022年12月2日

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