四元館の殺人 ―探偵AIのリアル・ディープラーニング (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2021年6月24日発売)
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感想 : 47
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犯罪をコーディネイトするAI・以相。その能力を生かし、ある闇オークションを開いた。落札した者には、知恵を授けるという。落札したのは、従姉が殺されたことで復讐したいという少女?。それを阻止すべく、探偵AI・相以と助手・輔は、その少女が住むという四元館へ向かった。そこでは新たなる殺人事件が開こうとしていた。


「〇〇館の殺人」ということで、興味をそそるタイトルに思わず購入してしまいました。本作品はシリーズ3作目で、個人的には初めてでしたが、普通に楽しめました。
が、過去の2作品を読んでからの方が、より楽しめるのではと思いました。

ミステリーではお馴染みの「館もの」で、絶壁という閉ざされた空間、外部と繋ぐのは吊り橋だけ、通信が切れたなど、クローズドサークルではお馴染みのあるあるが盛り込まれていて、興奮度は増すばかりでした。

その要素にAIという近来的な要素が加わると、今までとは違った楽しみ方があって面白かったです。

本格ミステリーとして考えると、変化球でちょっと・・・かなと思いました。他の方のレビューを見てみると、第1作目からの流れでいくと、犯人もそういった傾向があるということなので、読んでみたいと思います。

途中参加からなので、犯人やトリックが意表をつくものばかりで、うーんと思う反面、新鮮味もありました。

約280ページで、中盤あたりから推理を始めるのですが、残りの量で大丈夫かなと思いました。そしたら50ページくらいで犯人が確定。そこから怒涛の如く、披露していくので、もう少しじっくり味わいたかったなと思いました。

トリックとしては、やや強引かなと思いましたし、犯人がわかってからは、なんとなくラノベっぽいアニメ映像が浮かびました。理由としては、現実的よりはSFっぽい展開が頭の中で駆け巡ったので、生身の人間よりもアニメのようなキャラクターが浮かびました。

考え方が平行的な二体の相反するAIが今後どうなるか楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2021年7月
感想投稿日 : 2021年7月10日
読了日 : 2021年7月8日
本棚登録日 : 2021年7月8日

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