アラビア半島南端のイエメン。古い慣習によってわずか10歳で無理やり結婚させられた少女が、世界最年少の離婚訴訟を起こした……。
ノジュオドの意を受けて離婚訴訟を起こしたのは別の大人です。ノジュオドは買い物に行く振りをして裁判所に行き「離婚したい」と言っただけ。
その幼い少女が結婚して(させられて)いることに、驚き呆れた大人たち。その晩からノジュオドは保護され、離婚への道を歩くことができました。
父の決めた結婚を10歳の子どもが避けられなかったのは痛ましいけれど、裁判所に駆け込んだことと、10歳にもかかわらず裁判の場で、ウソをつく大人たちに対峙して事実を伝え続けられたことが彼女を自由にしました。
いい大人の、ノジュオドよりずっと教育のある自分だって、裁判を起こすとなったらそうとうな覚悟が必要です。
それを10歳の女の子が。ウーマン・オブ・ザ・イヤー2008もむべなるかな。
裁判所でなく警察に行っていたら、結果は違ったかもしれません。ノジュオドが地域の悪習に染まらない機関を選べた幸運を、有難いと思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2010年9月19日
- 読了日 : 2010年9月16日
- 本棚登録日 : 2010年9月16日
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