テレビの大罪 (新潮新書 378)

著者 :
  • 新潮社 (2010年8月12日発売)
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感想 : 98

評論家で小説家で映画監督、そして臨床心理士で管理栄養士で受験アドバイザーという「何でもアリ」の和田センセイの本業は、東大卒の精神科医。自らがテレビ出演の多い立場ありながら、テレビが国民に与える大いなる損害、もっと言えば「数々の偽装や情報操作によって」多くの人々を死に追いやり、その健康を害し、そして知性を奪う「テレビの大罪」を糾弾する。過剰なダイエット至上主義によって若い女性たちを拒食症に走らせ、医療過誤を攻撃し続ける事によって逆に医療崩壊を招き、自殺の方法や有名人の自殺などに関する過度な報道で逆に自殺を増やしているという現実を暴露し、テレビ業界を「知的レベルの高い人たちが、自分たちよりレベルの低い大衆を騙して儲けている」と糾弾する。和田センセイがこの業界に抱く疑念は「テレビは事実を映さない」ということ。伝えたいメッセージに合わせて映像と音声を切り貼り加工するマスコミの「ずるい」手法による情報操作に騙されないようにと読者を啓蒙する。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マスコミの嘘を暴く!
感想投稿日 : 2020年12月12日
読了日 : -
本棚登録日 : 2018年8月10日

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