幼稚園から大学まで聖心という育ちのためか、一般市民からは生粋のお嬢様と思われている作者だが、15歳の時に縁談が破談となったり、母娘ともに父から暴力を受け続けていたりと悲惨な青春時代を送っており、社会に出てからも60歳を過ぎた両親を熟年離婚させたりと、なかなかの苦労人である。本書は教育・常識・教養など、人間の「基本」となる部分をしっかりと確立もせずに、見た目やルール・そして金銭面の損得という「末端」ばかりを重視する今の風潮に流されずに「凛々しく」生きるためのアドバイスが詰まっている。例えば「貧乏」とは贅沢が出来ないことではなく、「今日の晩御飯を食べることが出来ないという状態」であると論じ、アフリカなどの僻地と比べると別世界であり、世界的に見ても恵まれた暮らしを送っている日本人の甘えを叱咤する。時に愚痴っぽい言い回しや、また上から目線も少し気になるが、人生の大先輩からの心優しいお説教と思いながら読んでみたい。
読書状況:読み終わった
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人間とは?
- 感想投稿日 : 2020年12月12日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2018年8月12日
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