水平線のかなたに 真珠湾とヒロシマ (文学の扉)

  • 講談社 (2023年6月22日発売)
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本棚登録 : 64
感想 : 8

真珠湾といえば、日米開戦の日本の非通告攻撃が真っ先に思い浮かぶ。
外務省の出先機関が通告を忘れたとの話が有名だが、そもそも戦争回避ができなかったかと思う。
日本ではこの部分が強調されることが多く、その攻撃で命を落とした兵士のことは殆ど触れられることがない。

真珠湾で犠牲になったのは戦闘員であり、ヒロシマでの非戦闘員の犠牲と比べてはいけないのかもしれないが、同じ命である。
著者が実際に居合わせたハワイでの記憶をひもとき、物語が綴られる。 戦争も紛争も、権力による暴力行為は、憎しみや怒り、嘆きの感情しか生み出さないということを、なぜわれわれは学び、その構造を変えようとしないのだろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 933英米文学
感想投稿日 : 2023年10月7日
読了日 : 2023年7月1日
本棚登録日 : 2023年10月7日

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