扉絵となってる横眼の
女性。
彼女こそいかさま師で
隣に立つ給仕の女性も
グルなのでした。
カメラを引くとカモに
されてる坊っちゃんが
そうとは知らず、己の
手札に視線を落とし、
その隣で実行犯の男性
が今まさに背中の隠し
カードを切ろうとして
います。
十七世紀仏の王室画家
ラ・トゥールによる作、
その名も『いかさま師』
ラ・トゥールといえば
『大工の聖ヨセフ』に
見覚えがある程度しか
知りませんでしたが、
この作品を通してその
卓越した表情の描写に
魅せられました。
アルテミジアが描いた
ホロフェルネスの首を
斬るユーディットや、
ジョルジョーネによる
『老婆の肖像』もまた、
表情の描写ということ
でいうと素晴らしいの
一言。
時空を超えて人びとの
心の闇を、
それが現代の私たちの
ものと変わらないこと
を知らしめてくれます。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年12月30日
- 読了日 : 2023年12月30日
- 本棚登録日 : 2023年12月30日
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