ピスタチオ

著者 :
  • 筑摩書房 (2010年10月1日発売)
3.52
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本棚登録 : 1261
感想 : 224
5

そんな準備もせずに、なんとはなく読んでいるうちに、気がついたら随分深いところへ分け入ってきてしまった。そんな感じの小説。結構前に読んだ、「沼地のある森を抜けて」も同じような感じだった。主人公が旅するアフリカの地で、人間の原点ともいうべき何かに触れる。科学とか知識だとかそういったものとは真逆の、太古からある生命の根源のようなものになんだか迫っているような気になった。特に激しい展開があるわけではない。あえて言えば、少し途中にミステリータッチの雰囲気があるけど、そこじゃない。この小説の良いところはそこじゃない。少し、難解なところもあるが、読み終えたあとについこの小説は何をテーマにしていたのかとじっくり考えてしまう、力を持った物語だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年11月7日
読了日 : 2011年11月1日
本棚登録日 : 2011年11月7日

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