生皮、というタイトルがもう痛い。血が流れ続けている感じ。生皮を剥がされたらそれは死にかけるだろう。セクハラという言葉はマイルドだと感じられる。この物語はある男の犯罪行為の発端と結末の話だと思う。
自分が何をしたかということを全く理解できないこのカリスマ講師のような男性は実際まだ世の中にはいるんだろうなと思ってしまう。
そしてそういう扱いをされることを、優遇や恋愛だと勘違いして庇ったり味方になってしまう気づいていない女性もいるんだろうなと思う。
昨年読んだ「キャッチアンドキル」(ある大物プロデューサーによる女優に対する性被害ドキュメント。その件を調べていた本書の著者も圧力を受けて職を喪いつつも真実追求を諦めず本書を出版。こちらはドキュメントなのでまた重みが違います。お薦めします。)を思い出した。「気づいてきた」人は多くなってきたけれどまだ狭い世界では根が深いのでは、とも思う。
こういう小説が出てくるのは時代よね、とも思います。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2023年2月5日
- 読了日 : 2023年2月5日
- 本棚登録日 : 2023年2月5日
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