フォトジャーナリストである著者が、その活動を通して至った戦争に関する問題点、さらには自分の経験と意思を述べた本。
集団的自衛権の話題が盛り上がっている中、イラク戦争がどういうものだったのか知りたくて手にしました。
著者の取材してきた紛争−イラク、パレスチナ、ユーゴスラビア、インドネシア、アフガニスタンとパキスタン、での印象に残ったことをまとめていて、幅広い内容ですが、ジュニア向け新書ということで戦争の概要から噛み砕いて説明してくれているので、事前の知識がまるでなかった自分でも読み通すことができました。
実際に現地に行っているからこそわかる、戦地に暮らしている人々の惨状、日本での関心の低さ、政府の行動や大メディアの報道への疑問などがつづられ、問題意識を持たずにはいられません。
紙面の制限もあると思われ、この状況に至るまでの歴史や政治を詳しく知ることはできませんが、この本に書かれてあることが戦争を考えるうえで一番肝心なことだと思います。
この内容には少なからずショックを受けたのですが、集団的自衛権が決まれば日本もこういう場に赴くことになるかもしれないのに、なぜこの本に書かれてあることが話題にならないのか。
新聞やテレビのメディアに頼る前に自分で知ろうとしなければと思いましたね。
それと、イラク戦争を知るのに一番最初に読んだのが、政治的に一歩引いて解説した本ではなくて、この本であってよかったです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
知っておくべきこと
- 感想投稿日 : 2014年6月16日
- 読了日 : 2014年6月9日
- 本棚登録日 : 2014年6月7日
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