ぼくたちの洗脳社会

著者 :
  • 朝日新聞出版 (1995年11月1日発売)
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本棚登録 : 190
感想 : 25
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1995年に書かれたとは思えないほど、2010年の現在を的確に解説した社会学の良書。
アルビントフラー・堺屋太一などの著作をこきおろしつつ、社会に対する分析力と想像力で、未来(2010現在)を予言している。
基本的な流れは、狩猟時代(モノ不足・時間余り)⇒農業・古代封建時代(モノ余り・時間不足)⇒中世(モノ不足・時間余り)⇒近世(モノ余り・時間不足)⇒現代(モノ不足・時間余り)⇒未来(情報余り・モノ不足・時間不足)というように、時代ごとに、物質と時間の2軸で解説。

例えば、狩猟時代は獲物が取れるか取れないかの不安にいながら、自由な時間を宗教的な思索につぎこんだ時代と解説。
2軸で、時代ごとの一般的な思想の源流を解説する手法は見事!

現在(1995時点では未来)については、宗教・科学・経済・マスメディアに対する信頼度が失墜することで、各個人が自由に洗脳情報を発信できる時代とした。
これはまさに、SNSやツイッターにおける熱狂とつながる!
なぜ、ネット上の人たちが発信することに加熱するかが非常に分かりやすく納得した。
情報中毒ともいえる人々の嗜好性がこの一冊でまるわかりする。
言い尽くせない魅力と示唆に富んだ、オススメの一冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2012年1月17日
読了日 : 2010年8月31日
本棚登録日 : 2012年1月17日

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