坂口安吾 × 夜汽車さんコラボ作品
「夜長姫と耳男」を読みました
二十歳の耳男(みみお)は長い耳を持ち馬のような顔立ちの青年で、飛騨随一と言われる匠の弟子であった。
ある時、長者の姫である夜長姫の、護身仏を造る為に長者の邸に行く。
長者は姫の気に入る仏像をつくれたら褒美として、美しい奴隷の江名子(えなこ)を与えると言う。
だが江名子は耳男の容姿を馬鹿にして、ふいに左耳を切り落としてしまう。
そしてそれを見ていた姫はもう片方の耳まで切るように笑顔で命じる。
耳男はその時の姫の笑顔を常に思い出しながら、
三年かけて恐ろしい化け物の像を造り完成させるのだが……
というお話がまだ、続きます…。
この作品。
とてもとても恐ろしいお話でした。
美しく可愛らしい夜長姫は十三歳のあどけない少女。
そのサイコパスたるや、もう〜恐ろしすぎて読みにくかったー!!!!
耳男の耳を江名子に切らせて微笑み、その後には江名子も殺してその着物を仕立て直して耳男に着させようとしたり…。
異常性が半端ないのです。
成長して十六歳になった姫は、村人たちが疫病で死んでいく様を楽しそうに毎日眺めたり、もっと村人が死ぬようにと、恐ろしいことをするのですが…それがまた、気持ち悪い、気持ち悪い!!
蛇が嫌いでたまらない人は、耐えられないかもしれませんね…。
私だって、蛇は大嫌いですが、なんとか読みました…
そんな風にめちゃくちゃ嫌〜な描写がかなり、続くのですが、
何故か、なぜだか、ラストシーンだけ良かったのです…
やっぱり怖いシーンではあるのですが……
切なくて綺麗な感じにブワーッと襲われて
不思議な切なさで…読み終わりましたー
- 感想投稿日 : 2023年8月5日
- 読了日 : 2023年8月1日
- 本棚登録日 : 2023年8月1日
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