チベット旅行記(下) (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社 (2015年2月11日発売)
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感想 : 12
5

鎖国状態のチベットに潜入した僧侶による旅行談。
現地では医師として有名になり、前大蔵大臣宅で勉強を重ねる日々の中、遂に正体が露見し苦悩の末に困難な国外脱出を図るという実話とは思えない波瀾万丈さ。
自分を政府に突き出すように前大蔵大臣夫妻に告白した後でのやり取りは感動的。普通なら突破不可能的な5大関門を越えてインドに入って話が終わるところを自分のために苦境に陥った恩人知人を救うべくネパール国王に会いにいくところがこの人の性格を現している。
国事探偵と疑われて拒否しているが、チベットの内情をかなり細かく描写しており、失礼ながら能力としてのスパイの素質はかなり高いといえる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年1月23日
読了日 : 2021年1月23日
本棚登録日 : 2021年1月19日

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