千年の愉楽 [DVD]

監督 : 若松孝二 
出演 : 寺島しのぶ  佐野史郎  高良健吾  高岡蒼甫  染谷将太 
  • アミューズソフトエンタテインメント
3.15
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本棚登録 : 81
感想 : 16
5

俳優さんの匂い立つような演技と若松孝二の撮る画面を見ているだけで心を奪われるような二時間。ストーリーラインを追おうとせず、三味線の音と一緒に二時間見ているだけで昭和のあの集落の空気感に飲み込まれそうになる。

寺島しのぶ+佐野史郎という演技派に加えて、高良健吾、高岡蒼甫、染谷将太というエロくて男臭い若手俳優セレクション。興行的な引きはないかもしれないけど、数あまたの中からこの三人を選んだっていうキャスティングがすごい。『軽蔑』の時も感じたのは、高良健吾が外道な役をやると、その整っていて線の細い感じがとたんに軟派で儚い男の性を体現しちゃうこと。外道さをのせても品を失わずエロさが出せる数少ない俳優だと思う。高岡蒼甫は根っからの自分勝手な男だけど弱いところも持っている、っていうおそらくこの人自身にも通じるところがあるんだろうあなって思う。染谷将太くん(年下過ぎて呼びつけできない)は抑圧された狂気を持つ役(『ヒミズ』)や人道派のいいやつ(『永遠の0』)っていう役しか見ていなかったので、今回の男っぽさにドキドキしてしまった。ほんの数分の出演なのに、トリのエピソードの印象が一番強く心に残った。

原作との世界観の乖離でいくつかの批評があるようだけど、私は原作を読んでいない。寺島しのぶの住む家に人が息を切らして駆け上がり、様々な出来事を伝えて行くシーンが印象に残って、さすが長年の映画人の撮る映画だなあと思ってしまった。合掌。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: movies
感想投稿日 : 2014年1月24日
読了日 : 2014年1月23日
本棚登録日 : 2014年1月15日

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