虚人たち (中公文庫 つ 6-21)

著者 :
  • 中央公論新社 (1998年2月18日発売)
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『腹立半分日記』の解説で本作品が実験的手法の小説であることを知っていなければ、到底読了できなかったろう。一日に原稿数枚ということもあったという。主人公は、妻と娘が誘拐され、はじめは息子と、途中からは単独で妻・娘の行方を追う。時々、妻や娘と会話をする場面が描かれるところを読むと、やはり虚構の世界の住人=虚人なのだと思い知らされる。全体的に演劇か映画の台本のように、登場人物の動作や心の動きまでも書き込まれ、一つ一つの段落がとても長い。とても疲れた読後感。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(邦国)
感想投稿日 : 2022年10月6日
読了日 : 2022年10月2日
本棚登録日 : 2022年10月6日

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