サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

  • 河出書房新社 (2016年9月8日発売)
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本書「サピエンス全史」の上巻は、3部構成となっている。
第1部 認知革命
第2部 農業革命
第3部 人類の統一     である。
「認知革命」の章では、「虚構」が見知らぬ人同士が協力することを可能にし、それがホモ・サピエンスの繁栄を招いたとする。
「農業革命」による農耕生活は、実際には狩猟採集社会よりも過酷な生活を人類に強いたが、それでも、トータルとしては人口の増大をもたらした。さらに「虚構」の一種類である「貨幣」の登場により、効率的な社会を築くことに成功した。
上巻の最後の部分では、太古からの「帝国」に焦点をあてる。帝国は、他民族の支配により成立するわけであるが、人類を統一する方向に向かわせていると、筆者は主張する。「将来の帝国は、真にグローバルなものとなる。全世界に君臨するという帝国主義のビジョンが、今や実現しようとしているのだ。」とも主張している。
以降、下巻に議論は譲られている。

本書は大ベストセラーであり、最近では、最もよく読まれ、影響を与えた本の1つだと思う。原書の発行は2011年、日本での翻訳の発行は2016年なので、けっこう古い本だ。以前から読もうと思っていたのだが、これまで読む機会をつくれなかった。
内容にものすごく期待して読んだが、私自身は、あまり面白い本だとは感じなかった。冗長で読みにくいとすら感じた。
下巻になるとエキサイティングになるのかもしれない。それに期待して。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年5月17日
読了日 : 2023年5月17日
本棚登録日 : 2023年5月15日

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