基本的にはウラムという生物工学者が知的細胞《ヌーサイト》をつくり、それがパンデミックになり、群知性を発揮してアメリカ大陸に粘菌コンピュウータのようにはびこり、消えていくという話である。そこに、ヨーロッパに脱出した神経科学者バーナード、ニューヨークで生き残ったスージー、そしてウラムの母、エイプリルなどの人生がからんでくるという話。
人類がヌーサイトの群体に記憶されて情報存在となるから、これが人類の新たな段階で、《幼年期の終わり》との類似点が指摘されるのだけれど、はたして〝ブラッド・ミュージック〟に同化していくという段階こそが、何か現実を受け入れたくない〝幼年期〟のような気がしてならない。
脳は内と外とのずれによって「現実」を認識していく。内側の観測視点だけで宇宙が変化するとは思えない。人類が生まれる以前にも物理法則はあったであろうから。
訳はよみにくい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2023年8月28日
- 読了日 : 2023年8月28日
- 本棚登録日 : 2023年8月28日
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