中世を旅する人びと: ヨ-ロッパ庶民生活点描 (ちくま学芸文庫 ア 25-3)

著者 :
  • 筑摩書房 (2008年7月9日発売)
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感想 : 21
5

濃い。

暗黒時代といわれた中世。文化的には古代より退行したというのが一般的だが、学問的ではない、風俗としての文化はどの時代よりも熟していたように感じる。
まだ、生まれた地で一生を終えるのが当たり前だった時代。しかしかえって村、都市の数だけ文化が生まれ、風俗として広まる。

近世以降の欧州の多様性の地にあるのは中世でのこの”土臭い”文化だろう。それは先進的に、ときに保守的に絡み合っていく。


また、この本は日本人には遠い存在であるジプシーについても言及しており、欧州に旅行に行く際には一度目を通してもいいかもしれない。


(2008/12/28読了)

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 世界史
感想投稿日 : 2008年12月17日
本棚登録日 : 2008年12月17日

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