伊集院静が初めて推理小説を書いたということで話題になっている。やはり文章力、構成力はすごい。数々の登場人物の背景を語り、いろいろな場所でいろいろな人物が行動をし、「いったいどのようにこの話は展開していくのだろう」とぐいぐい引き込まれ、先を読みたくなる。モザイクのような話の数々が最後に一つのなって終焉に向かって進んでいく。とても面白い構成だ。多数の登場人物の背景、キャラクターにも気を配り、ストーリー自体にも重みがある。「推理」小説として読むと、犯人は途中からだいたい察しがつくが、謎解きに重きを置く小説ではなく、犯行を犯さざるをえなかった人間の性を描きたかったのであろう。久しぶりに面白い「推理小説」に出会えた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年3月26日
- 読了日 : 2012年3月26日
- 本棚登録日 : 2012年3月26日
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