萩尾望都と竹宮惠子 大泉サロンの少女マンガ革命 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎 (2020年3月26日発売)
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本棚登録 : 167
感想 : 17
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面白い。戦後の日本の歩みと漫画の歴史を俯瞰して書いている。
名前の出てくる漫画家がスター級ばかり。大物列伝の歩みや、盛衰が描かれているが、その中でも少女漫画の大御所、萩尾望都と竹宮惠子の人間関係を書いた…が、そこは書かないほうが良かった。
漫画に夢や反体制の意味づけがされた時代や、その後など、群像劇としては素晴らしく面白いのに、人間関係になるといきなり下世話になる。
一つの漫画を取り上げて、変な深読みした挙句、日本の革命は二十代の女性が起こす、とか、おっさんな結論。
有名税とはいえ、ここまで勘繰っていろいろ詮索されるのは苦痛だろうと、萩尾望都と竹宮惠子に同情した。そもそも
傑作を描いたのはこの2人だけではない。
戦後の群像劇、社会の変革期の躍動感、そんな雰囲気はいきいきと伝わってくるので、本としては面白かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年5月9日
読了日 : 2023年5月8日
本棚登録日 : 2023年5月8日

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