つながる読書 ――10代に推したいこの一冊 (ちくまプリマー新書 451)

著者 :
制作 : 小池陽慈 
  • 筑摩書房 (2024年3月7日発売)
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本棚登録 : 306
感想 : 13

14人の読み書きのプロたちが10代に読んでほしい一冊を紹介する本のプレゼン大会を実況するという趣向の第一部、それを肴にした対談(著者✕読書猿)が第二部、さらに、第一部の登壇者たちが他の人の推薦本を読んで、感想のお手紙を書くという第三部+αの構成。

紹介される本は、
米原万里「オリガ・モリソヴナの反語法」★
さくらももこ「ひとりずもう」★
金満里「生きることのはじまり」
小川てつオ「このようなやり方で300年の人生を生きていく[新版]あたいの沖縄旅日記」
オスカー・ワイルド「サロメ」★
三上英司・大橋賢一・小田健太「漢文名文選 故事成語編」
大江満雄編「いのちの芽」
谷知子「和歌文学の基礎知識」☆
工藤真由美・八亀裕美「複数の日本語―放言からはじめる言語学」☆
小川洋子「物語の役割」★
太宰治「お伽草紙」☆
梨木香歩「家守綺譚」★
ハラルト・シュテュンプケ「鼻行類」☆
草野心平「草野心平詩集」
(★は既読、知ってる本、☆は今度手にとってみようと思った本)
いわゆる小説は4冊、詩集2冊、あとはエッセイ・ノンフィクション、それに参考書・専門書などで、著者やタイトルだけ見て読みたくなる中高生はあまりいないかもしれないが、紹介文を読んでみるとけっこうわくわくしてきたり、おお、と気持ちが動いたりする。作品そのものの魅力というより、その人なりの本とのつきあいかたやいろんな「読み方」を熱く語ってくれてる点が興味深く、ああそういうことならちょっと読んでみよかな、と読み手が思ってくれたら大成功、かな。
第二部以降はちょっと話が高度な感じになっていくので、まずは第一部だけ読んでもいいかもしれない。せめて最初の二人分だけでも、ひろく読まれてほしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2024年4月11日
読了日 : 2024年4月11日
本棚登録日 : 2024年3月9日

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