まだ温かい鍋を抱いておやすみ

著者 :
  • 祥伝社 (2020年5月14日発売)
3.64
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本棚登録 : 2028
感想 : 156
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P35
「嫌われることが一番こわかったけど、今は、自分の事を自分で決められなくなることの方がずっと怖い。本当にそう、思います。」

P81
「それでも俺は、これを、かなしい食べ物だって思う。だからいつか灯がどん底だけを信じるんでなく、他の、もっと幸せなものに確かさを感じて、このパンを食わずにやっていける日がくればいいって願うよ。」

透くん、ナイスやん。

P124
「夜泣きした下の子を抱っこで寝かせてたら、ヤキモチ焼いた上の子がぐずって起きて、それから二人とも全然寝ないんだけどなんだろうこの地獄」

クスッと笑ってしまった。あるある!そんな地獄。

P176
「正しいとか、誤解とか、そういうのに関係なく、私は幸の安心と納得を優先したいんです。」
夜子の行動がかっこいい。

P217
万田が残した鍋の音だ

あぁ。帯の通り、〝極上の食べものがたり〟だった。

以前にも読んだ気がするがあまり深い感情移入はなく、さらっと読んでしまった気がする。これは読む年代で違うかも。
40代になった今、沁みて沁みてじんわり泣けてくる。自分の人生をを振り返り自分の今の立ち位置を確かめる。いいタイミングで読んだと思う。
誰かを失った時、心がぽっかり空いたとき、また読み返したい本だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月10日
読了日 : 2024年1月11日
本棚登録日 : 2023年12月8日

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