レスポンシブ・ウェブデザイン標準ガイド あらゆるデバイスに対応するウェブデザインの手法

  • エムディエヌコーポレーション (2012年5月25日発売)
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 レスポンシブウェブデザインについて書かれた本。レスポンシブウェブデザインとは、htmlファイル1ソースで提供されるPCやタブレット、スマホのサイズに対応したデザイン手法をいう。著者はこもりまさあきさん。「XHTML+CSS基本原則これだけ」や「Zen Coding」など、主にWebサイトのフロントエンド・エンジニア向けに技術書を書いている。
 レスポンシブウェブデザインの基礎知識、レスポンシブウェブデザインを作ってみよう(基本編)、レスポンシブウェブデザインを作ってみよう(応用編)、レスポンシブ対応を支援するツールという4章で構成されている。
 レスポンシブウェブデザインの基礎知識では、スマホやタブレットの登場後におけるウェブ制作の現状などが書かれている。またどのような手法で多様なデバイスに対応したWebページを作成することになるのかといった概要が説明されている。
 レスポンシブウェブデザインを作ってみよう(基本編)では、レスポンシブウェブデザインを実装するためのモバイルファーストという考え方やブレイクポイント、ワークフローなど基礎的な知識が紹介されている。また次章で作成するHTMLとCSSの作成手順についても書かれていた。
 応用編では前章の説明から、レスポンシブでの様々なケースにあった手法でファイルを作成していく。デバイスごとにカラムを変更する場合や固定幅と可変幅のボックスを組み合わせる場合などのレイアウトに関するものや、デバイスによってフォントサイズを変更するものまでケースごとに紹介されている。疑問に感じていたのが埋め込み画像の対処方法だった。対処法としては、埋め込み画像とCSSでの背景画像を組み合わせてレイアウトするといいそうだ。CSSの背景画像の方がレスポンシブでは扱いやすいと書いてあった。
 レスポンシブ対応を支援するツールでは、主にレスポンシブのひな形となるファイル群であるフレームワークが紹介されている。それぞれに特徴のあるモバイルファーストを基本としたシングルカラムのフレームワークやマルチカラムに対応されたものまで簡単に説明してある。各フレームワークはブレークポイントが%やpxで指定してあったり、パーツのレイアウトが予め指定してあるなど違いがある。また使われているJavaScriptのファイルが違うなど特徴がある。
 この本より前にCSS3などの本でレスポンシブウェブデザインについて少しだけ書いてあった。幾つかの基礎知識については知っていたけど、細かい部分まで知ることができた。構成もわりとしっかりしていたので基礎を理解することはできた。基本的にHTML1ソースとCSSだけで構成するのではなく、複数のJavaScriptを使いながら足りない機能を補完しながら実装していくのが現状では一般的な手法のようだ。2012年というレスポンシブウェブデザインが流行り始めた時期に出版された本なため、現在ではもっとよい手法があるのかもしれない。残念なことは構成がしっかりしているものの、個々の文章が頭の中で整理されていないのか雑然としているためすっと頭の中に入ってこなかった。レスポンシブだけでは内容が足りなかったのか後半はフレームワークの説明とソースコードに終始していたように思う。内容が足りないのであればページ数を減らしても良かったのではないかと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ウェブデザイン
感想投稿日 : 2014年9月20日
読了日 : 2014年9月19日
本棚登録日 : 2014年9月19日

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