ドラゴン・ティアーズ――龍涙 池袋ウエストゲートパークIX (文春文庫 い 47-17)

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年9月2日発売)
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本棚登録 : 2458
感想 : 181
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シリーズ9作目。段々と角が取れて丸くなっている感じです。平たく言えば私の苦手な暴力描写が少なくなっている気がします。それが良いのか悪いのかは人それぞれでしょうけれど、私は読みやすくて安心します。
 さて、今回も社会問題満載でした。そしてその被害者はやはり弱者で、これらの話が書かれてから数年経っているけれど、未だ過去の話になっていない現実を思うと、やりきれなくなります・・。
どの話も考えさせられましたが一番は表題作『ドラゴン・ティアーズ』です。登場人物の言葉に自分が知らなかった現実を思い知らされました。
“フェアトレード”という言葉が頭の中でグルグルと回っていました。でも 同じものなら安いものを手に取ってしまうのだろうなぁ、その裏に沢山の涙があるかもしれないのに……。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2016年7月2日
読了日 : 2016年6月27日
本棚登録日 : 2016年7月2日

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