ギャラリーフェイク〔小学館文庫〕 (1) (小学館文庫 ほB 11)

著者 :
  • 小学館 (2002年11月15日発売)
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本棚登録 : 305
感想 : 28
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※1巻だけでなく「ギャラリーフェイク」という作品全般に関する感想。
ちなみにAmazonのレビューは、文庫本(全23巻)の方も元々のコミックス(全32巻)から引っ張ってきているので、収録内容にズレが生じる2巻以降はレビュー内容が掲載内容に合っていないので要注意。

かつてはNY・メトロポリタン美術館で働き「教授(プロフェッサー)」という異名を持つ程の天才学芸員だった藤田は、今は東京で贋作専門の画廊「ギャラリーフェイク」を経営している。
画廊経営の裏で、盗品やワケ有品を扱いブラックマーケットにも通じている藤田だが、今でも美術への深い造詣と卓越した修復技能を持つ美の信奉者である彼の元には多くの芸術作品と事件が持ち込まれるのだった…。

原田マハの「楽園のカンヴァス」を友人に薦めたところその返し?として推薦されたのが、「アート版ブラックジャック」とも言うべきこのマンガ。
今まで何故まったく知らなかったんだろう…(ホント、タイトルすら聞いたこと無かった…)。全くこの作品を知らずに人生を過ごしてきたことに後悔すら感じた(笑)。

美術について思う存分薀蓄を語っているのに、まったく教科書くさくならない面白さ。もちろん、あくまでもフィクションなので、扱っているテーマも実在の芸術家・作品・団体と架空の存在が混在しているので、鵜呑みにしてはいけないのだけれどね。
扱う内容も著名な美術作品から、美術館経営や美術品ビジネスにまつわる話まで手がけていて、てっきり美術大好きマンガ家が半分趣味で始めた作品なのかと思いきや、実は作者である細野不二彦氏は連載開始当初は全くの門外漢だったそうで。。。このリサーチ量には感嘆。
まぁ、途中から相当ネタ切れに悩んだのかかなり間口を広げていて、いわゆる正当な美術とはカテゴライズできないものも多く扱ってたけど。

連載開始時点から数えると、もはや20年以上昔のマンガなのに今でも面白く読める。ここ最近、会う人みんなに薦めてる作品。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2013年6月2日
読了日 : 2013年4月16日
本棚登録日 : 2013年6月1日

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