個人的にSF小説に求めるものは、論理に裏打ちされたハッタリとか、度肝を抜かれるような発想とかなんだけど、「地球幼年期の終り」は、その意味では少し期待はずれだった。
宇宙人が来襲して人間がやたらと平和になっちゃうとか、宇宙人が人間で言う悪魔の姿をしているとか、その姿を恐れる理由が未来の記憶だったのだ、というところは面白かった。あと、カレレンのスタイングレンとの友情?も。
ただ主題というかオチがうーん。人類の進化というのが、それ進化ですか?という気がするし。人間って群体の多様性が一番の強みのような気がするんだけど(鋼鉄都市とかだとそんな話だし)。
あとカレレン以下上主はとんでもない知性の持ち主とされているけど、作中の描写ではそう感じられない。本がたくさん読めるとか、なめらかに異星語が話せるとか、そういうものではなく、創造性が感じられるエピソードがなかった。これはカレレンたちが主上位に服従してるせいなのかも。
解説にもあったけど、今作での進化は、現在の人間の延長線上にはなく存在そのものの変化に近くて、その意味で人類の未来はどうなる?的な思考実験にもいまいち。とりあえず宇宙人は余計なことしないで自分たちの進化を追い求めててください。
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カテゴリ:
SF小説
- 感想投稿日 : 2020年7月18日
- 本棚登録日 : 2020年7月18日
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