ローマ、ベネツィア、20世紀後半のアメリカ、衰微する文明を実に程よい距離感で概説している。著者はあまり目的意識を強く持たずに、どちらかというと純粋な知的好奇心に駆られて書いたそうだ。その言葉に従って、あまり目的意識を持たずに読んでみたら、その分色々と考える余裕が持てる気がする。
字面を追いながら、気づけば今の日本について考えたりもするし、この本が書かれた当時の状況に思いを馳せたりするし、著者の視点に深く敬意を抱くこともある。気ままに思考が揺れていきつつ、それが楽しいと思えるような読書だった。
「〜せねば」という思考は、すぐに硬直してしまう。やっぱり頭が固いのは良くない。色んな方面にアンテナを張って、感度の高い人間でいたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年12月6日
- 読了日 : 2013年12月6日
- 本棚登録日 : 2013年11月16日
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