一気読み。
永徳が描くことを止められないように、その勢いに巻き込まれる感じで止められなくなった。
思い描いていた永徳像を裏切らない。
気力を尽くして描き、生きるその様が、とても苦しく悲しく、とにかく疲れた。
才を持って生まれてしまった人の業。ただただ壮絶。
これだけ身を削らなければならなかったのか。
そうでなくては描けなかったのだろう圧倒的な画。
そうまでして作り上げたものの悉くが、灰燼に帰してしまうその運命はあまりにも悲しすぎる。
時代とは言えもっと、後世に残っても良かっただろうに。見たかった。
等伯夫妻の登場でより深く、暗く、画業に囚われていく心理が鬼気迫る。
何度も打ちのめされ、それでも屹立する強さは、もう異常。
最期の最後まで画の苦しみと喜びに夢を見る。
読み終えても満足はできない。心が締め付けられる。
でも、これも一種の感動なのだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史小説
- 感想投稿日 : 2015年12月23日
- 読了日 : 2015年12月23日
- 本棚登録日 : 2015年12月23日
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