「東アジア共同体」は鳩山総理の専売特許ではなく、小泉総理時代からの発想だった。本書では1930年代を分析し、そこから現在の「東アジア共同体」構想への教訓を示している。「アジア主義」と「親米」思想の安易な対立、二者択一を戒めるのが筆者の結論だろう。また本書では、1930年代のアジア主義=侵略的一辺倒、満洲国建国と国際連盟脱退により対中・対欧米外交が破綻し日本の孤立が決定的に、というありがちな思い込みを裏切る解説をし、新しい視点を提供してくれる。ただ細かい点を挙げれば、石原莞爾につき本書の前半では「中国ナショナリズムを軽視」とし、後半では「重視」としているので戸惑う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本
- 感想投稿日 : 2011年12月20日
- 読了日 : 2011年12月20日
- 本棚登録日 : 2011年12月20日
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