鎌倉末期、天皇制は存続の危機に瀕していた。東国への支配は及ばず、モンゴル襲来を機に九州への支配権も失われようとしていた。後醍醐天皇は密教の呪法や律僧、悪党・非人を動員して天皇専制を目指した。この「異形」の王権は3年で崩壊してしまうが、幕府の崩壊と王権の没落は列島を大混乱に陥れた。頼るべき権力の不在は自治的な一揆や自治都市、自治的な村落の勃興を促すとともに、天皇・神仏の権威の低下はそれと結びついた「聖」なる集団としての職能集団の賤視をもたらした。
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- 感想投稿日 : 2023年10月24日
- 読了日 : 2023年10月24日
- 本棚登録日 : 2023年10月24日
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