さらば財務省! 官僚すべてを敵にした男の告白

著者 :
  • 講談社 (2008年3月19日発売)
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感想 : 80
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小泉-竹中改革路線の実務に大きく関わった元財務官僚で、知る人ぞ知る高橋氏による、ことの顛末を氏の視点で綴った記録です。

物語として十分面白いし、高橋氏の人物像も非常に興味深く、読み応えありです。そういえば、郵政民営化や道路公団民営化、年金問題、公務員制度改革、などいろいろありましたねえ。政策や金融に関わる部分で正確に理解できないところがあり、批判も含めた主張自体どこまで正しいのかどうか判断できないのですが、霞ヶ関官僚の限界と恐ろしさの一端は明らかにしているかと思います。

高橋氏は最後に公務員制度改革に関わっていたということですが、ここは引き続き誰かが何とかしてほしいところです。(現場レベルにいる人は本当に大変だと思うのですが...)

外務省の佐藤氏もそうだと思いますが、高橋氏も入省までの経歴が特異で、必ずしも本流ではなかったところに鍵はありそうな気がします。本流から外れないようにという心的足枷がなく、また自分の能力を伸ばして具体的な結果を出すことでしか評価されない(貢献できない)と強く感じているメンタリティがあれば、国政においてはその力を尽くしてことにあたる価値のある仕事を探すことは実はそれほど難しくないのではないでしょうか。また、機会があればその能力を持つ人材が揃っているのではないでしょうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2009年12月26日
読了日 : 2008年4月26日
本棚登録日 : 2008年4月26日

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