欲望の資本主義2

  • 東洋経済新報社 (2018年4月27日発売)
3.64
  • (12)
  • (12)
  • (17)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 255
感想 : 21
5

こんなエキサイティングな本はそうそうない!
コーエンの話はものすごく面白く、今後テクノロジーによってルーチンワークの仕事は減っていく。創造的でなければ生き残れないというのは本当にその通りだと思った。

後半のガブリエルとセドラチェクの話はもう最高にエキサイティングだった。お互いに例えや主張の根拠を分かっていてどんどん話が展開していく様子がたまらなかった。
特に納得したのがシェリングのくだり。

生命体というシステムは
その維持のためには代謝によって外部のエネルギーを取り入れて変換することがその本質である。
つまりシステムには外部が必要なのだ。
そのため外部との境界がないシステムはそれを維持するためには内部に異質なものを作り出さなければならない。
シェリングによるとこれが悪のダイナミクスである。
システムがすべてを取り込んでしまったら崩壊が始まる。

単純に倫理感としての悪を超えた
システムとして時代が要請した悪という考え方で
物事を見ていきたいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2018年7月22日
読了日 : 2018年7月22日
本棚登録日 : 2018年7月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする