著者は、1936年5月生まれなので、現在は84歳。
この本を書かれた時は、82歳だったようです。
p186~187
老人ホームは誰かから管理される場所です。いかに効率よくお金も人数もかけずに運営するかを考えると、高齢者一人ひとりに対応するひまなどありませんから、十把一絡げの管理にならざるを得ません。老人ホームでよく見る風景---いっせいに童謡などを歌わせる、体操させる、ぬり絵やお習字などのおけいこをさせる---。
みんなで同じことをやるのが好きな人ならともかく、団体行動に全く馴染めない人だっています。つれあいの母は100歳まで生きましたが、食事以外、ホームの部屋から出ていくことはなく、部屋に閉じ込もらざるを得ませんでした。
時折見舞いに行くと、まるでおんぶおばけのように背中に何かがのしかかってくるのを感じて異様に疲れました。のしかかってくるもの、それは管理されている老人達の「不自由さ」です。
高齢者には一人ひとりの歴史があります。これまで積み上げてきたものを大切に出来ればいいのですが、実際はホーム側の都合で管理されている。そこへ入れば、いやおうなく年を意識させられ、20代や30代の職員達が、まるで幼子を扱うような丁寧語で話しかけてくる---。なぜ普通に話さないのでしょうか。気を遣っているつもりかもしれませんが、侮辱でしかない気がするのです。
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2019年
- 感想投稿日 : 2020年12月12日
- 本棚登録日 : 2020年12月12日
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コメント 2件
nejidonさんのコメント
2020/12/13
seiyan36さんのコメント
2020/12/13