新聞の書評を読んで興味を持った。
丸刈りの事実については、遅ればせながら知ることとなった。
戦時中ドイツ兵士と関係を持ったことについて、丸刈りなどの罰を受けることになったフランス女性のその後について、日本人が調べて書いた本。
フランスの歴史について勉強していた著者は、卒論の研究テーマに「丸刈り」を選んだとのことだが、外国の若い女性が興味本位?で調べるには難題ではなかったか。
わざわざフランスに住んで、いろんな形でアプローチしたようだけど、わずかでも対応してくれた人がいたことが奇跡にも思える。
辛い過去を話してくれる人は圧倒的に少なく、内容として興味深かったのは、後半から、つまり実際に著者と面会した方達の証言が書かれているところだった。
戦後をどのように生きたかがテーマとのことだったが、やはり証言が少なすぎて、中途半端な印象を受けた。
余談だが…
以前埼玉のとある地域に住んでいた。
一時期アメリカに接収されたその地域は、現在アメリカの匂いがするおしゃれな地域に生まれ変わり、賑わっているようだ。
長くそこに住んでいる方から「戦後はこの辺にたくさんの混血の子供がいた」という話を聞いたことがあった。
大抵は日本人の母親から生まれた子達だろう。
生きていれば、かなりの年齢だと思うが、今どこに…と時々考えてしまう。
敗戦後と戦時中の話は別物かもしれないが、日本の「親子」も肩身の狭い思いをしたのは間違いない、と思う。
読書状況:読み終わった
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良かった
- 感想投稿日 : 2017年1月16日
- 読了日 : 2017年1月16日
- 本棚登録日 : 2017年1月13日
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