TraveLife クリエイティブに生きるために旅から学んだ35の大切なこと

著者 :
  • マガジンハウス (2015年8月27日発売)
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感想 : 7
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生き方も暮らし方も、スタイルは無限だ。自分で独自に新たなスタイルを思いつく人もいるかもしれないが、よほどの天才以外はひらめきにも限界があり、外からの情報があったほうがイメージしやすくなる。実際にやっている人に会うことで「あっ、こんなやり方がある」と身近に感じ、「自分にもできそうだ」と可能性を見出せる。

連続性の社会は計画性があったほうが良く、決めたことをきちんと遂行する旧式のエリートに有利だったが、今は非連続性の社会だ。新しいビジネスもどんどん出てくるし、当たり前だと思っていたやり方が変わったり、いままであったビジネスがなくなったりする。見方を変えると、非連続性の社会とは、偶然から多くを得ることができる。

常にスマホが手元にあるから、用がなくてもつい見てしまう。二〇代なら友だちと常につながっているかもしれない。これは便利なことだが、いつもスマホを見ていたら、旅に出たその時にしか見られない何かを見過ごしてしまう。せっかく一人旅に出ても、ずっと仲間とLINEをやっていたら、自分の家にいるのと同じことになるだろう。

お土産はもらって嬉しいものがあまりないし、土産物屋で売られているものは「リアルじゃない」と感じる。

日本にいるといつのまにか「君ってこういう人だよね」という枠が当てはめられる。まわりの友だち、会社の人、家族、さまざまな人間関係の中で、「自分らしさ」が外側から定義されている。ちょっと変わったことをすると、「えっ、どうしたの?」みたいになってしまうかもしれない。せっかく旅に出たのなら、日常をリセットし、違う自分になってみよう。

「異質」というとネガティブな響きだが、「オリジナリティ」と言いかえればポジティブになるし、「ユニークネス」と言えばさらに魅力的に聞こえる。

僕は留学時代、アメリカでは授業中に発言しないと評価が下がってしまうことを知った。たいしたことでなくていいし、くだらなくてもいい。意地でも何か意見を言わないと、出席している意味がないのだ。日本だと教室にいれば出席していると見なされるが、「黙っていたら欠席と同じ」というのがアメリカだ。毎日がはっきりと意見を言うトレーニングそのもので、非常にためになった。帰国後は逆に、誰も何も発言しない日本の会議が不思議なものに思えてきた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本田直之
感想投稿日 : 2016年8月3日
読了日 : 2016年8月3日
本棚登録日 : 2016年8月3日

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