前半では、ドイツの発明品やポルシェやダイムラーといったドイツ人の技術者(Tueftler)を紹介している。そして、多くのTueflterを輩出し、現在もドイツ経済の牽引地域であるBaden-Wuertenberg州の経済的成功の基礎には、シュタインバイスという一人の技術官僚の活躍があったことが紹介される。
後半では、ハレ経済研究所などのドイツ人研究者と直接ドイツ語で取材し、日経新聞等のマスメディアからは知ることのできない、ドイツ中小企業の技術革新や創造性の原動力について、キリスト教価値観やドイツの企業制度、社会保障制度から考察しており、興味深い。
本書は著者がドイツ語でドイツの大学で講演したことを契機に企画されたように、ドイツに関する歴史を踏まえた幅広い知識を基礎に、ドイツの中小企業(Mittelstant)を取り扱った、ドイツに20年以上滞在している熊谷氏にしか書けない作品だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ドイツ
- 感想投稿日 : 2017年9月19日
- 読了日 : 2017年8月26日
- 本棚登録日 : 2017年9月19日
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