シナ人とは何か: 内田良平の「支那観」を読む

制作 : 宮崎正弘  内田良平研究会 
  • 展転社 (2009年10月1日発売)
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感想 : 4

なかなか重厚な本である。約100年前に日本の国家戦略を考えた内田良平の『支那観』の解説、当時の国際情勢、辛亥革命前後の孫文らのパトロンとしての支援した状況などが詳しく説明されており、うならせられる。本文には、「シナ人は。「読書社会」、「遊民社会」、「一般社会」に完全分離されており、相互の間は無関係だ。徹頭徹尾個人本位にものを考え、国土が異民族に乗っ取られてようが全く関知しない。」とある。江戸時代を通じて、武家社会、農耕社会の一部、商人社会の一部に浸透した論語を通じて広く倫理観を情勢した日本とは大違いである。一衣帯水などという甘い考えはもってのほかであろう。
内田良平の『支那観』は100年あとの現代国際情勢にも通じるエッセンスが込められており、それをいま新たに確認、認識することは未来を見通す上でも有効だ。そして当時、なぜ日本がシナに関与せざるをえなかったのかという根源が見えてくると、先の大戦の糸口へと繋がっていることが分かる。

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感想投稿日 : 2011年10月25日
本棚登録日 : 2011年10月25日

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