夜の桃

著者 :
  • 新潮社 (2008年5月22日発売)
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本棚登録 : 746
感想 : 139
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官能的な小説。でも官能小説とは違うかな。
仕事も金も妻も愛人もすべてを手に入れた男。
そんなバブルをやり過ごし成功した中年男性目線の話。
話の最後の最後ですべてガラガラと音を立て崩れてはいくが、
後半までは男の願望をすべて満たした羨ましい話ではないだろうか。
ほとんどの女性からは共感を得られないであろう。
愛する妻・長年の愛人・新しい若い愛人の間を上手に泳ぐ様は、
普通の女性ならば読んでいて気持ち良いものではない。
(私は普通じゃないので、嫌悪感はないが。笑)

文中で、男の妻の読んだ小説の話が出てくるが、
どうやら自らの作品『眠れぬ真珠』のことのようだ。
そういう手法はシャレてて上手だと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2010年9月27日
読了日 : 2010年9月27日
本棚登録日 : 2010年9月27日

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