じゃっで方言なおもしとか (そうだったんだ!日本語)

著者 :
  • 岩波書店 (2013年12月19日発売)
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感想 : 5

題名は「だから方言はおもしろい」の鹿児島方言らしい。鹿児島や沖縄の方言を出発点に、質問文・親族の呼称・Don't you ~の疑問文への回答(yes/noいずれを使うか)・一人称の方言を分析していた。
本の内容そのものというより、最後に出てきた方言の継承について考えるきっかけになった。
自分の息子がどんな言葉を習得していくんだろうと考えると、たぶんいわゆる標準語。私自身は生まれてこのかた方言はあるとしたら江戸言葉か程度でほぼなく、夫も少し単語に、東日本で私が知らなかった言葉があるぐらいなので。
方言のあたたかさはあったほうがいいとは思うけれど、「方言を消滅させるな」と言ったって、そういってる論者が消滅しそうな方言を急に使い出して解決できる問題ではなく、「どうか方言を今の時点で持っている人はそれを継承してください」と、なんというかnative language以外にもうひとつの言語の習得をお願いしていくようなもので、自然な言語の習得ではない。自分や夫含めて若い親は子どもに基本標準語で話しかけて育てるだろう。自然でなく習得した「方言」は、自然に使われるものではないだろう。昔の「方言やめましょう」みたいなキャンペーンをやらなきゃよかったとはあるかもしれないけど。「理解不可能なほど」標準語と異なる方言が減っていくのは自然な流れなのかもしれない。もはや伝統芸能の継承と近いものを感じる。
あえてなくしていくというのは全くすべきではないとは思うけれど、方言nativeを言語の自然な習得とともに養成すべきという話であれば、違和感を払拭できない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年7月26日
読了日 : 2014年7月26日
本棚登録日 : 2014年7月26日

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