毒親介護 (文春新書 1240)

著者 :
  • 文藝春秋 (2019年11月20日発売)
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本棚登録 : 156
感想 : 15
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こんな目を引くタイトルあるか?
『歴史の本棚』の紹介から興味を持って読む。

こんな読んでて辛い本ある?
本書の2/3ほどを占める、親にいじめられた幼少期、介護する立場になってもワガママな老いた親に苦しめられ続けるエピソードは読んでいられず、胸糞悪さ全開である。
「一度くらい感謝の言葉がほしい」という気持ちで隘路に陥る。

最後に解決策編が少しだけあり、全体の暗澹たる内容に一筋の光を差すが、まだまだいやな後味が残る。
認知症の話のはずが、対人関係一般にも使えそうな法則があったのでメモしておく。

【認知症の九大法則】
1記憶障害に関する法則
→現在から過去にかけて忘れる
2症状の出現強度に関する法則
→より身近な人に強く出る
3自己有利の法則
→自分にとって不利なことを認めない
4まだら症状の法則
5感情残像の法則
→言ったり聞いたりした記憶はすぐ忘れるが、そのとき抱いた感情だけは残存する
6こだわりの法則
7作用・反作用の法則
→介護者が強く対応すると、強い反応が返ってくる
8認知症の了解可能性に関する法則
→老年期の知的機能低下から、すべての認知症の症状が理解、説明できる
9衰弱の進行に関する法則
→認知症の人の老化の進行は早く、介護する期間はそう長くない

【激しい言動を理解するための三原則】
1本人の記憶になければ本人にとって事実ではない
2本人の思ったことは本人にとっては絶対的な事実である
3認知症が進行してもプライドがある

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年11月11日
読了日 : 2022年11月11日
本棚登録日 : 2022年11月11日

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