- 文藝春秋 (2019年11月20日発売)
本棚登録 : 208人
感想 : 23件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784166612406
作品紹介・あらすじ
児童虐待やDV、パワハラなど、身体的・精神的な暴力への関心が高まっている。
親子関係においても、幼少期に親から身体的・精神的暴力を受けてきた人は少なくない。そうした「毒親」の問題が近年、テレビや新聞でも指摘されるようになっている。
子どもが成人して独立すれば、そうした「毒親」から逃れることもできるが、その親に介護が必要になったとき、子どもは再び親と向き合わなくてはならなくなる。
親への責任感の一方で、積年の憎しみや嫌悪は簡単にはぬぐいきれない。様々な葛藤を抱えながら介護をすることになっても、「毒親」はそう簡単には変わらない。老いてますます尊大、横暴になったり、経済的にも子どもに依存し、子どもの生活を破壊しかねない親もいる。
本書は、「毒親」との関係に悩む人たちの生々しい声を紹介し、その実態や心の内に迫る。
介護の経済的負担や認知症への対処、介護をする側の夫婦間、兄弟間の考え方の違いから生じるトラブルなど、「毒親介護」の様々な事例をルポする。
また、専門家によるアドバイスや具体的な対応策なども探り、「毒親介護」の中に希望を見出すための処方箋も提示する。
感想・レビュー・書評
-
毒親の介護どうする? 親ガチャの結末は納得感が大事 :日経xwoman(有料記事)
https://aria.nikkei.com/atcl/feature/19/112500116/122300007/
文春新書『毒親介護』石川結貴 | 新書 - 文藝春秋BOOKS
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166612406詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「親の介護を背負わずともいいんだよ」と心を許してくれる優しい本
「こんな事例でも介護を続けている」と比較してしまいそうで投げ捨てたくなる本
-
一緒にいて子供に悪影響を与える毒親を介護するようになった場合、どのように対処すればいいのか。豊富な事例とともに紹介してくれる1冊だった。
毒親とは、単純に子供に対して暴力や暴言を与えていた親だけではなく、子供のやることに過干渉だったり、自分の老いを盾にして負担を強いてきたり、肉体的・精神的・経済的に子供に悪影響を与える親全般を指している。
嫌いな親であれば見捨てればいいと思ってしまうが、大嫌いだったからこそ最後に自分のことを認めてほしい、愛してほしい、そういった感情を抱く子供も少なくないようだ。
具体的な介護で苦労している人の話は読んでいて、こんな親なのによく介護する気になったな、と思うものが数多く紹介されていた。
介護をするにあたって頼れる機関やサービスがあること、認知症や老いによる変化への心構えがあるのも良かった。
一番重要だと思ったのは「親を『捨てる』」選択肢があるということだ。第6章の最初の数ページでしか紹介されていないが、あまりにも親が酷い場合は、見切りをつけることも大事というのは新鮮な考えだった。ただ、親と縁を切る場合、ちゃんと行政に引き継いでおく必要があることも覚えておいた方が良いだろう。 -
20201023 読了
覚書
第一章 親の老いがむき出しにする、過去と家族関係
第二章 「かわいそうな親」に振り回される人たち
第三章 お金と仕事と希望ー介護で自分の人生が消えていく
第四章 毒親はなぜ子どもを傷つけたのか
第五章 「毒」なのか、それとも「老い」なのか
第六章 毒親介護に希望はあるのか
読み手の立場で評価が違うかも?ですが、
個人的には一読しておいて損はしなかった内容。 -
機能不全家族で両親とも認知症で介護が必要、という経験をしました。介護が始まり、元々あった家族問題が噴出して、本当にすごかった?です。
毒親の元で育った子供が、本心から「親の介護をしたくない」と思うのであれば、周りがサポートして介護関係者にきちんと伝え子供の本心を貫かせないと、子供側は精神面にもたないと思います(携わった人でないと理解できない話ですが、本当にそう思います。)
外部機関へ相談する重要性にもページを割いてあれば、より良かったです。 -
親があきらかな介護状態になる前、少し認知機能が落ちてきたとか、ひとりでは生活が維持できなくなっているとか、実はその段階がむずかしいんです。
最終的には「公助」、つまり公的な支援でないと解決できない部分がある。行政の窓口や公的な介護サービスにつなげることで選択肢も増えます -
こんな目を引くタイトルあるか?
『歴史の本棚』の紹介から興味を持って読む。
こんな読んでて辛い本ある?
本書の2/3ほどを占める、親にいじめられた幼少期、介護する立場になってもワガママな老いた親に苦しめられ続けるエピソードは読んでいられず、胸糞悪さ全開である。
「一度くらい感謝の言葉がほしい」という気持ちで隘路に陥る。
最後に解決策編が少しだけあり、全体の暗澹たる内容に一筋の光を差すが、まだまだいやな後味が残る。
認知症の話のはずが、対人関係一般にも使えそうな法則があったのでメモしておく。
【認知症の九大法則】
1記憶障害に関する法則
→現在から過去にかけて忘れる
2症状の出現強度に関する法則
→より身近な人に強く出る
3自己有利の法則
→自分にとって不利なことを認めない
4まだら症状の法則
5感情残像の法則
→言ったり聞いたりした記憶はすぐ忘れるが、そのとき抱いた感情だけは残存する
6こだわりの法則
7作用・反作用の法則
→介護者が強く対応すると、強い反応が返ってくる
8認知症の了解可能性に関する法則
→老年期の知的機能低下から、すべての認知症の症状が理解、説明できる
9衰弱の進行に関する法則
→認知症の人の老化の進行は早く、介護する期間はそう長くない
【激しい言動を理解するための三原則】
1本人の記憶になければ本人にとって事実ではない
2本人の思ったことは本人にとっては絶対的な事実である
3認知症が進行してもプライドがある -
【なぜ虐待した親を介護しなければならないのか】ただでさえ大変な親の介護。それが自分を虐待した「毒親」だった場合、子はどうするべきか。当事者たちが語る壮絶な現状をレポート。
-
ふむ
-
介護で自分の人生が消えて行く。
毒親の介護をして面倒を見ているうちに、自分自身が老齢になってくるが、貯金もなければ、年金もほとんど無い。そんな状態でどうやって生きていけば良いのか?
まさに、8050問題だ。 -
・ものすごく重い介護の話が詰まっている本。
・ただ、単に悲惨な話を並べるだけではなくて、綿密な取材に基づく知見がたくさん書いてある。なぜこうなったのか(当人と社会の状況)、これからの日本の高齢化社会はどうなるのか、どう対処するべきなのか、とか。
・自分はまだ親の介護が始まっていないけれど、自分の行く末を目の当たりにしているようで肝が冷えた。少しでも実家との関係性を改善しないと...。 -
タイトルに惹かれて手に入れた本だが、読み進めるのが辛い本。
-
毒親であるという事も一つのキーワードではあるのだが、中身は基本的に介護の話という印象。
一番驚いたのはあとがきにかかれていた著者自身の体験だった。 -
そもそも毒親なのか、認知症が毒親たらしめているのか。読前にはもっぱら前者についての内容を想像していたけど、読後の今、少なからず後者の要素もありそうな気がしている。ちなみに、毒と読がかかっとる訳やね。さておき、類書を併読しているからなおさら、本書が抉り出す介護の毒の側面にも、しっかり目を向けないと、ということだな。
-
自分の他にもこのように苦しんでいる人がいると分かっただけでも良かった。
読んでいて暗くなるのでなかなか読み終わらなかったが、逃げ道もあるということが分かった。その逃げ道(相談する人とか)を知っておくのは重要だと思った。 -
いろいろな例を知ることができたし、毒親介護に取り組む際のアドバイスも役立ちそうで、よかった。
第4章以降が興味深かった。
P191
健康的なあきらめについて。
「親との関係性を突き詰めて考えるのではなく、いい意味での、健康的なあきらめも大事です。親はもうおいている、今さら仕方ない、そんなふうにできる範囲で受容してみると、また違った向き合い方もできるはずです。」
P201
「毒親」と向き合う子ども側に苦悩があることは当然だが、一方で親の「老い」に関しては客観的な視点も必要だろう。親の問題のすべてを「毒」だと片づけるのではなく、心身の不調や加齢がもたらす問題と捉えることがあってもいいはずだ。」
そして最後の最後、著者自身の介護経験が語られるが、これがすごい。二世帯住居で暮らす義母の施設入居が決まった直後に夫と離婚、複雑な事情により介護を担うことのできない夫の母親(義母)を赤の他人となった著者が担ったという話。I became speechless. 言葉を失ってしまった。すごい人が世の中にはいるものだ。
著者プロフィール
石川結貴の作品
