挫折しないタイ文字レッスン (マリンのタイ語生活 1)

著者 :
  • めこん (2006年12月1日発売)
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感想 : 6
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タイ語を勉強してアジア言語について学んだことを友人に話したところ、面白がってもらえたのでここにメモを。

アジア的!と思ったところ
①「~さん」に相当する敬称があり、その呼び方によって呼び合う二人の関係性が見える(年上年下、保護被保護の関係)

②女言葉、男言葉がある。それ自体には意味がないけど、語尾に足すことでニュアンスを付け加える音がある(日本語で言うところの~よ、~ね)。男が女言葉を使うとなよなよしてると思われる、みたいなことが発生する。

③敬語がある。見る、ご覧になる、~人、~名様、くらい単語が変わる(何名様ですか?○人です、と助数詞を変えて返事しないといけないの難しい)。恐れ入りますが~、にあたる、分からないので教えていただきたいのですが、みたいな枕詞を頭につけて質問すると丁寧になる、など!

④英語的に文法を捉えやすいときも多いが、日本語的に考えないと主語の捉え方を理解できないときがある。日本語で言うと、「週末をサッカーして遊びました」の「週末」が主語になるような文章構造がある。英語で「週末」は主語にならない。

⑤王室に向けて発する言葉は普通の言葉と異なる。日本語で言うところの最上敬語、ただしタイではクメール語がベースになっているらしく、巷で使われている言葉と全く違うから専門に勉強しないといけない。一語一語が衝撃的に長い。

(三島由紀夫『暁の寺』にも、14p
「臣下が国王陛下に対して、『はい』と答えるだけのことを、(...)次のように言わせるのです。プラプウト・チャオ・カー・コーラップ・プロムカン・サイクラオ・サイ・クラモム。)

他の言語は勉強した訳ではないけど、友人に聞いたベースでは、①②に似たような構造はベトナム、マレーシア、ミャンマーにも存在する。アジアン!

そう考えると中国語はまた独特だと思った。

そのほか、タイ語の特徴
・発音が独特。中国語が私が知ってる数少ない言語の中では近いけど、またちょっと違う。
・実は読み書きはが一番難しい。なぜなら、単語と単語の間にスペースもなければ、句読点もないから。しかも、タイ語は古き良き書き方をまだ温存していて、「今はもう読まれなくなった文字」もかなり単語の中に残ってる。だから文字を全部学んだからと言って、読めるわけではないらしい。さらに、タイ人の友人と話していたら「自分もタイ語ちゃんと書けない」と言われて絶望したので読み書きの勉強は途中から放棄しました。(タイでは、お金持ちの家庭の子はインターナショナルスクールに入れてしまうパターンが一定数あるらしく「インター卒の子はタイ語がちゃんと書けない(読めるけど、“読まないがそこにあるべき文字”が消失した文章を書きがち)」らしいです)。

なお、この本は、勉強しやすい良書でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ハウツー・ガイドブック
感想投稿日 : 2020年12月13日
読了日 : 2020年5月31日
本棚登録日 : 2020年12月13日

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