竹やぶに住んで、いつもおなかをすかしているトラ、名前はトラゴロウと、人間や動物たちとの物語。早くに講談社文庫から出たこともあるのは、大人のファンが多いということだろう。
トラゴロウは、あまり働かずに竹やぶでのんびりしていることが多いのだが、おこって人間をたべたりもする。
トラゴロウが2匹になる話や、お出かけの途中で昼寝してしまった自分を置いたまま自分は帰ってきてしまっていたとか、キバをなくしたトラはトラといえるだろうかとか、いわば「自己を二重化」する話が多く、大人も考えさせられるテーマが多い。哲学的であるともいえ、この作家の特徴でもある。
1973年に理論社から「愛蔵版」が発行されたのだった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
童話
- 感想投稿日 : 2018年8月8日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2018年6月13日
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