少年検閲官 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社 (2013年8月22日発売)
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感想 : 43
3

洪水と津波で世界が水没しつつある中、14歳のクリスはひとり異国を旅していた。
母は幼い頃に亡くなり、英国軍人の父は潜水艦ごとどこかの海底に沈んで戻らなかった。
クリスは、森に囲まれた小さな町でホテルの息子ユーリから、町の不穏な噂をきく。
「探偵」が町の家々に赤い十字架のような印を残し、森に迷い込んだ人々の首を切っている。
ある夜、クリスは「探偵」を誘き出そうとする自警隊と行動を共にして、森で「探偵」の犯罪を目撃する。

書物が禁じられ、ラジオのみが情報という世界で、失われた「ミステリ」に思いを馳せるクリス。
父から聞いた「ミステリ」の「探偵」は正義のはずが。
「ミステリ」とは「探偵」とはをじっとりと語っている物語。検閲官エノが登場するまではジリジリする展開。
どうなっていくのか先が読めないので、「探偵」の正体も犯罪の動機もなかなか衝撃的だった。

ここのところ、タイムリープとか超人たちとか、人体実験とかのミステリを続けて読んでしまって、そろそろ、私の常識が通じる世界のミステリを読みたい気持ちに。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年4月18日
読了日 : 2022年4月18日
本棚登録日 : 2022年4月18日

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