2作目
瀬尾さんの勧めで小説を書き始めた駒子さん。
身の回りで起きた不思議なことを描いていく。
小説の感想と解説?を返信する瀬尾さんとは別に、駒子さんへ届く別のお手紙。
駒子さんの学生生活がとても懐かしい。
女の子ばかりの喧騒。学食。なんで選択しちゃったのかのドイツ語。
本と本が重なって、あちらの本の登場人物が目の前に現れる・・ってメアリー・ポピンズだったかな。
私もいまでも時々、この世は現実?と揺らぐことがある。
「空想力」は「空」を「想う」「力」。
「架空」の「空」ではなく、「天」の「空」。
駒子さんの瀬尾さんへの手紙、駒子さんの小説、瀬尾さんの手紙、謎の手紙がバラバラと出てきて最初は戸惑った。
どこに気持ちを着地させたらよいのかわからないような不安。
それが最後まで読むと綺麗な輪を描く。
また最初から読まなくては、という気持ちになる。
「今の子供たちの多くは、ひょっとしたらまるで空を見ないんじゃないかって気がすることがある。それはひどくつまらない、そして恐ろしい想像だ。空を見ようとしない人間に、進歩なんてないと僕は思うから。そして進歩のないところには、未来などないとも思うから。」
「傘が一本あって、人間が二人いて、それでどちらか片方が雨に濡れてるくらいなら、傘なんて畳んじゃった方がいいんです。違いますか?」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
楽
- 感想投稿日 : 2014年1月21日
- 読了日 : 2014年1月20日
- 本棚登録日 : 2014年1月7日
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