お・り・が・み 天の門 (角川スニーカー文庫)

著者 :
  • 角川書店 (2004年6月29日発売)
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本棚登録 : 314
感想 : 17

里親に捨てられ続け二十億もの借金を背負ってしまった薄幸少女・鈴蘭は借金のかたに悪の組織の社長を名乗る青年に拉致されメイドとして強制的に働かされることに。
しかし鈴蘭には重大な秘密が……
とにかく会話のノリがよい、畳み掛けるようなギャグには抱腹絶倒必至。
キャラの掛け合いも面白い、ドタバタコメディの定型に乗っ取りながらもがっつり笑わせる。
「かか覚醒じゃいじゃないですか、かか覚醒じゃいじゃないですか!」
「わかった。もういい。興ざめした」
の二つの台詞はとくにツボにはまりました。間のとり方がほんと絶妙。
健気でまっすぐで頑張り屋の鈴蘭と傲岸不遜で極悪非道な俺様・貴瀬のふたりが特にお気に入りです。
一応ご主人様とメイドな関係ですが、シリーズ終盤にゆくにつれ変化が……というと恋愛的なあれこれを想像しがちですが、この二人に限ってはカップルというよりどつき漫才コンビと呼ぶ方が現状に即してる。
巻を重ねるごとに可愛い女の子がわんさと登場するハーレム同居もの要素もありですが、真のヒロインは貴瀬です。ネタバレになるので詳しく言えませんが彼はヒロインのお約束要素揃え過ぎです。誘拐されるし!
最終巻ともなると完全に男女主従逆転します(笑)だがそこがいい。

作者あとがきによると大半アドリブで書いてたそうで、話の整合性に「?」が付くとこもありですが、シリアスとギャグが地続きなテンションに身を委ねて一気読みするが吉。
最終巻のエピローグに至っては「ああ、このシリーズ読んできてよかったなあ……」と感無量に浸れます。

俺様眼鏡好きな女性読者は迷わず買い!!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年8月26日
読了日 : 2017年8月26日
本棚登録日 : 2017年8月26日

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