魔法少女育成計画 QUEENS (このライトノベルがすごい!文庫)

著者 :
  • 宝島社 (2016年12月10日発売)
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本棚登録 : 95
感想 : 6
4

アニメ化もされ勢いにのってる魔法少女育成計画の最新刊。
「だれとでも仲良くなれる」魔法を使い「すべての魔法少女とお友達になる」プク・プックの野望の全貌が暴かれます。
敵味方さまざまな魔法少女が入り乱れ利権と愛憎と思惑が絡み、話の筋がかなり複雑になっています。
戦闘面は一対一より集団戦に比重がおかれていますが、固有の魔法を使った抜け駆け出し抜き不意打ちで、「まさかここで!?」と唸る場所で意外なキャラが脱落していくシビアさは健在。
今巻のラスボスプク・プックはシリーズ通してもトップレベルのキチ(略)で頭がおかしい。良い意味で感傷に傾きずドライな描写でテンポよくさくさく進む。視点の切り替えが頻繁なので慣れるまでは混乱するかもしれませんが、慣れてしまえば一気呵成に読めます。
気持ちいいほどエゴイスティックかつスッパリ割り切りのよいキャラが目立つ中で、マナとうるるはいちいち人間臭く、苦悩と葛藤、信頼していた人の裏切りや大事な人との別離を経て一皮剥けていく姿は感動的。
姉妹の遺志を引き継いで成長したうるるの台詞に少し涙腺が緩みました。二人とも若干ヒステリーではありますが……

そして終盤に待ち受ける衝撃の展開。
吉岡の正体はわかる人にはわかると思うのですが、意外すぎるキャラのまさかの退場にショックを受けました。ここでか!!
本人は満足して逝ったんでしょうが遺された人の心中を慮ると惨すぎる……その為の処置といっても……

概ね楽しく読めたのですが、今回敵側に回って八面六臂の活躍をした「彼女」が、数多の魔法少女を殺傷した事実にまったく心を痛めてないのが気になりました。いくら洗脳されてたといっても、彼女を今の彼女足らしめる正義と信念に照らして、自責と反省の描写がないのは不自然に感じるのですが……

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年8月24日
読了日 : 2017年8月24日
本棚登録日 : 2017年8月24日

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