昭和史 1926-1945

著者 :
  • 平凡社 (2004年2月11日発売)
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太平洋戦争にいたるまでの過程を、日本の満州支配から解説していく。
破綻は、初期からあった。

軍部の横行からはじまる。
「統帥権干渉」という用語を発明したことで、天皇が軍部の暴走をとめられなくなった。
勝てるという根拠が「精神力」に基づいた説が定着した。

いまの視点からふりかえってみると、まったくもって馬鹿らしい。
しかし、当時の人たちが悪いと責めることができない。

自分がその場にいても、おそらく時代の空気に乗ってしまったんだろう。
いったん決心したことに対して、人は理由をほしがる。少なくとも自分は欲しい。

だから、悪い情報がはいってきても遮断してしまう気がする。
「だって、もうやっちゃったんだもん。なんとかなるでしょ」
なんて思いながら、楽観して、自分の行動を自分に納得させるんだと思う。
だから、軽率だとバカにすることができない。



以下、抜粋。

山本五十六のことば
『内乱で国は滅びない。戦争では国が滅びる。内乱を避けるために、戦争に賭けるとは、主客顚倒もはなはだしい』
 この言葉を読んで、ハッとした。内部の問題を、外部にうつして対処しても、解決にならない。
『自分が命令できない作戦は行ってはならないのである』
 これも自戒をこめて。


失敗の原因
1.時の勢いに駆り立てられた
2.具体的な理性的な方法論をまったく検討しようとしない
3.日本型の小集団主義(権力の絶対化)
4.国際的常識の欠如(ポツダム宣言について)
5.対症療法的な発想で、急場を乗り切ろうとした。(大局観がない)

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2009年1月27日
本棚登録日 : 2009年1月27日

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