太平洋戦争にいたるまでの過程を、日本の満州支配から解説していく。
破綻は、初期からあった。
軍部の横行からはじまる。
「統帥権干渉」という用語を発明したことで、天皇が軍部の暴走をとめられなくなった。
勝てるという根拠が「精神力」に基づいた説が定着した。
いまの視点からふりかえってみると、まったくもって馬鹿らしい。
しかし、当時の人たちが悪いと責めることができない。
自分がその場にいても、おそらく時代の空気に乗ってしまったんだろう。
いったん決心したことに対して、人は理由をほしがる。少なくとも自分は欲しい。
だから、悪い情報がはいってきても遮断してしまう気がする。
「だって、もうやっちゃったんだもん。なんとかなるでしょ」
なんて思いながら、楽観して、自分の行動を自分に納得させるんだと思う。
だから、軽率だとバカにすることができない。
以下、抜粋。
山本五十六のことば
『内乱で国は滅びない。戦争では国が滅びる。内乱を避けるために、戦争に賭けるとは、主客顚倒もはなはだしい』
この言葉を読んで、ハッとした。内部の問題を、外部にうつして対処しても、解決にならない。
『自分が命令できない作戦は行ってはならないのである』
これも自戒をこめて。
失敗の原因
1.時の勢いに駆り立てられた
2.具体的な理性的な方法論をまったく検討しようとしない
3.日本型の小集団主義(権力の絶対化)
4.国際的常識の欠如(ポツダム宣言について)
5.対症療法的な発想で、急場を乗り切ろうとした。(大局観がない)
- 感想投稿日 : 2009年1月27日
- 本棚登録日 : 2009年1月27日
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