まだ温かい鍋を抱いておやすみ

著者 :
  • 祥伝社 (2020年5月14日発売)
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本棚登録 : 2022
感想 : 156
4

・かなしい食べもの
「「ああ俺のためのものだ。俺を待っていてくれたんだ」というものが立っている。それはほんかもしれないし音楽かもしれない。技術かもしれない。学問かもしれない。メリーゴーランドかもしれない。俺にとっては、人の形をしていた。」
この文がいいな。必ず人ではなくて、他にもいろいろありうるけれど、
たまたま俺の場合は人だったというところがとても良い。

・ミックスミックスピザ
弦巻くんは何に執着したんだろうか。

・ポタージュスープの海を越えて
「よく冷えた炭酸が、金色の流星群さながら喉をすべり落ちていく。」
シュワシュワ感とスッと流れていく様子、キラキラ明るい気持ちを連れてくるような
飲み物を飲む描写だけの描写で感覚が広がってゆくのすごいな。

・大きな鍋の歌
思ってもフィルターにかけて外に出さないことが
無神経とか無関心に繋がるの、実際そういう風に考えてフィルタリングしている
んだけれど、難しいな。
シチューにかぶを入れたことなんてないけれど、
鶏肉とかぶを入れたシチューをつくって食べたくなるな。
いちばん最後がいい匂いで終わるったのがよかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 短編集
感想投稿日 : 2021年8月18日
読了日 : 2021年8月18日
本棚登録日 : 2021年8月18日

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