夜中にジャムを煮る (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2011年11月28日発売)
3.69
  • (29)
  • (67)
  • (55)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 1076
感想 : 73
4

 「食」にまつわるさまざまを語ったエッセイ集。読んでいる文字の裏側から、元気のいい「おばちゃん」の声が聞こえてくる気がする(あくまでも、私には、だが)。
 苦手だったモノたちを新しいやり方で捉えられるようになり、だんだん、あるいは大いなる尊敬をもって好きになれる。その過程の端々を感じてじぃん、とした。多大な苦労もおありだったと察するが、ときにしみじみさせ、ときにくすりと笑わせてくださる文体は、たしかに元気と勇気を与えてくれるものだと思う。
 巻末にはエッセイに登場した料理の作り方やお店の連絡先まで書いてあって、頭が下がる。実に、あっけらかんとカッコいい「おばちゃん」像を保たせてくれる楽しい読みものなのである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年5月8日
読了日 : 2018年5月8日
本棚登録日 : 2017年12月23日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする